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Update on 2017.08.23

糸をつなぎ、布を織る「手しごと体験」

平成30年5月~平成31年3月まで(約11ヵ月間)

TURNSでは紹介のみ行っています。お問い合わせ・ご連絡はイベント主催者さまへお願いします。


からむし織体験生(織姫・彦星)募集


福島県の山あいにある、大沼郡昭和村。
この村の伝統産業「からむし織」を学ぶため、全国各地から移住した人たち、通称「織姫さん・彦星さん」がいます。
そのかわいい呼び名にひかれて、村での生活を知りたくて、昭和村をたずねてみました。



「からむし織」って?


からむし織とは、からむし[別名・苧麻(チョマ)]という植物からとれる繊維を原料とした、日本最古ともいわれる織物。抜群の吸湿性・速乾性と、上質な肌ざわりから「最高級の夏素材」と評されています。そんな貴重な伝統文化ですが、後継者不足が懸念されていたことから、村では平成6年に「からむし織体験生(織姫・彦星)制度」をスタート。からむし織の工程やさまざまな体験を通じて村人と交流を深め、山村生活に親しんでもらおうという事業です。今回は25期生を募集します。


からむしの生産が途切れることなく続いてきたのは、全国でも昭和村と宮古島の2カ所だけ。昭和村のからむしは、重要無形文化財である新潟県の小千谷縮や越後上布の原料にもなっている。

まずは昭和村役場からむし振興室の金子まきえさんに話を聞きます。
「1年目の『体験生』は、平日9時〜17時は、糸うみやからむし畑の手入れ、からむし以外にも農作業や郷土料理作りなど、各種プログラムが用意されています。土日は基本的にフリーですが、村の行事に参加したり、豊かな自然の中を散策するなど、村の生活を楽しんでいるようです。住居は、村が提供する一軒家で共同生活をしていただいています」

村のおじいちゃん、おばあちゃんも体験の講師を務める。

約1年の体験終了後、希望者は「研修生」として最長3年、村に残ることもできます。1カ月のうち12日間はからむし織の作品制作などにあて、残りはアルバイトをするのも、自分で新しいことを始めるのも自由。住居は自分で探す必要がありますが、村からの斡旋もあります。また、研修費として毎月6万円が支給されるそうです。
ちなみに体験生にはお金の支給はありませんが、体験にかかる経費はすべて村が負担。食費や生活費もあまりかからないため、体験生いわく「意外と困らない」のだそうです。

では実際に、体験生たちの作業を見せてもらいましょう。


織姫さんが進化させた草木染め


やってきたのは「道の駅 からむし織の里しょうわ」。この日は敷地内にある「織姫交流館」で、からむしの染色講習会が行われていました。

大鍋でからむしの葉や茎を煮て染色液を作る。他にも村に自生するさまざまな植物で染色を行う。


もともと昭和村では、織物の原料となる繊維の状態で出荷するため、村内でからむしを染色すること自体あまりなかったそう。しかし代々の織姫たちが独自にからむしの草木染めを進化させ、2003年には「染色図鑑」という本も作成。今では体験生たちの大事な教科書になっています。

からむしの草木染めについてまとめた「染色図鑑」と、染めた糸のサンプル。


織姫・彦星を受け入れ続けて20年以上


体験生に応募のきっかけをたずねると、「織物づくりに原料から携わりたかった」という人から「田舎暮らしに興味があった」という人までさまざま。では実際に暮らしてみてどうですか? とたずねると、皆さん共通しているのが「村の人の受け入れ態勢がすごい!」という声でした。

今年5月に移住したばかり24期の体験生。左から藤谷知子さん、田嶋紀佳さん。

そう、昭和村には20年以上も村外からの織姫・彦星を受け入れてきた歴史があるのです。体験生は道を歩いているだけで「今年の織姫さんかね〜」と声をかけられ、朝、共同住居の玄関には山菜がどっさり…なんてこともあるそう。
雪どけとともに毎年やってくる体験生は、村に吹く新しい風。村人たちもそれを心待ちにし、とても「めごがる(この地方の方言で『かわいがる』の意味)」のだそうです。中には、目を輝かせてからむしの作業をする体験生に影響され、途絶えていた家業のからむし織を復活させた家もあるといいます。

染液を冷ましている間に裏山をお散歩。役場の金子まきえさん(左)と、織姫の皆さん。

村人たちは体験生とふれあう中で、「あの子は細かい作業をよくやってくれる」「あの子は絵が上手」などと体験生の得意分野を見つけ、それが後の昭和村での仕事につながることもあるとか。
「自分を知ってもらうためにも、村の行事はできるだけ参加するのがおすすめです」とアドバイスするのは、2期生として1995年に入村した羽染(はそめ)桂子さんです。昭和村で結婚し、今は体験生の指導などもしています。羽染さんのように、移住者の気持ちも、村人の気持ちも分かる「先輩織姫さん」は、とても心強い存在です。


「人生の一瞬一瞬が大切になった」


「手仕事は好きでしたが、東京暮らしが長かったのでいろいろ不安はありました。でも1年だけなら参加しやすいし、『人生のスパイス』くらいに思って来てみたんです」と話すのは、村に来て4年目(研修生3年目)の棚橋祐美さんです。
「家族や友達にも『1年で帰ってくる』と宣言していましたが、からむしの奥深さにふれたり、満天の星空を見て『自然に生かされている』と感じたり…。人生の一瞬一瞬が大切で、ものを作ることが愛おしくなって。気付けば4年経っていました」

研修生の棚橋さんは、県外の物産展で糸績みの実演をすることもあるそう。「昭和村に来て、ものづくりがもっと好きになりました」。

大学卒業後に東京から移住して2年目の研修生、加藤萌絵さんは、村でアルバイトをしながら野菜を育てたり、からむし織をして生活しています。

道の駅にある「からむし工芸博物館」でアルバイトをしていた加藤さん。

「昔から田舎暮らしにあこがれていました。昭和村を選んだのは、織物に興味があったから。畑仕事も全然したことがなかったけど、近所の人が親切に教えてくれます」。


約20年間で迎えた体験生113人のうち、今も村で暮らすのは31人。
それぞれが家庭を築いたり、仕事を見つけたり、からむし織をしながらカフェを営んだり、人生をのびのびと歩んでいます。何より、村人全員があたたかく迎え入れてくれるのがいちばんの魅力です。
応募締め切りは10月末まで。時間のある人は、プチ旅行ついでに一度足を運んでみては?


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Information
開催日平成30年5月~平成31年3月まで(約11ヵ月間)
時間原則として平日(月~金)午前9時から午後5時まで
住所福島県大沼郡昭和村
定員6名
参加費なし
※国民健康保険、国民年金への加入が必要となった場合の保険料、食費、水道光熱費、燃料費などの生活費は自己負担となります。
※体験に必要な材料費や受講料は村が負担します。
主催昭和村役場
内容(1)からむし織の一連の工程
①畑(5月〜7月にかけて)
からむし畑の作業(雑草取り、からむし焼き、施肥、垣根造り、根の植え替え、刈り取りなど)
②からむし引き(7月〜8月にかけて)
刈り取ったからむしから繊維部分を取り出す
③糸づくり(5月〜12月にかけて)
繊維を細く裂き、つなぎ、糸にする
④織り(12月〜3月にかけて)
課題として、高機を使い半幅帯を1本仕上げる。3月には作品展を開催

(2)山村生活の体験
農業体験、染色(草木染め)、わら細工などの生活工芸体験、郷土料理作り、村内行事への参加など


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