よんでみる{ magazine vol.23 }
Update on 2017.04.24

なつかしくて、新しい。大阪の創作おはぎ屋

【特集レポート】森のおはぎ 森百合子さん(大阪府 豊中市)

見たことも、食べたこともないおはぎをつくりだす


「つくる人も食べる人も幸せ。それを感じられる仕事って素敵やなぁと思って」。
デザイナーからおはぎ職人に転身した森百合子さんに会いにゆきました。




「ナカメシグルリアンだよ」親戚の伯父さんはいつもそれを片手に家にやってきた。おみやげとしてもらったり、家でつくったり……、いまほど華やかな洋菓子がなかった時代から、中がご飯(メシ)で、ぐるりが餡(アン)のおはぎは、皆を笑顔にする、幸せのおやつだった。


関西に、有名なおはぎ専門店がある。大阪府豊中市の「森のおはぎ」は、店主の森百合子さんが2010年、普通電車しかとまらない小さな街・岡町の商店街に創業した、ちっちゃなおはぎの専門店。テレビや雑誌の取材にひっぱりだこ、店舗はもちろん、全国各地のイべントでも行列ができる。

森さんにとっておはぎは幸せになるおいしいもんの代表だった。「おばあちゃんがつくってくれたあんこ餅や素朴な和菓子って、それをつくったり、食べたりしたシーンを思い出すじゃないですか。自分も誰かの思い出づくりをしたい、それが一番にあったんです」


皆に愛されて、食べて幸せな気分になってもらえる、その反応を直接感じられる、おはぎ職人の道を一生の仕事として選んだ。

店を始めるにあたり、まず考えたのは見たことも、食べたこともないおはぎをつくりだすこと。雑穀を使ったふ?ちふ?ちのお餅と、季節の素材を生かした変わり餡。粒餡やきなこといった定番はもちろん、木の芽みそや焼きとうもろこしなど、創作おはぎも期間限定で登場する。




「私もやけど(笑)、女の人は欲張りさんやから、いろいろ食べたいでしょう。うちのおはぎは3つ4つぺロッといけると思います」

つくり方にも強くこだわっている。手間はかかるが、素材に合わせ、あんこはすべて炊き分ける。たとえば、苦味や香ばしさが強い深煎りきなこの餡は甘味を強く。香ばしいクルミ入りの餡は隠し味に白みそを加え、味に塩気と深みを出す。ころんと愛らしい形や、互いに引き立てる色のバランスも考えつくされたもの。


じつは森さんは元テキスタイルでデザイナー。それだけに彼女のおはぎは、見た目はもちろん、販売する空間、パッケージにもこだわりがたっぷり。お土産用の包みは巾着型の紙袋にした。手提げ袋には陶芸作家の鹿児島睦さんの図案があしらわれる。店先の品書きは森さんのお母さんの書、鉄看板は金工作家の弟さんのお手製だ。

選んで、買って、持ち帰るまで。お店にはちょっぴりうれしくなる、心のこもった要素があふれている。



おはぎづくりのポイント

1 おはき?をつくるときの気持ちか?味に直結!むす?かしく考えす?、楽しんて?つくろう!

2 餡とこ?飯のハ?ランスをとるにはそれそ?れを個数分に分けて最初に丸めておくと、均等な大きさに。

3 つくって半日置くと、餅とあんこか?なし?む。食へ?る時間から逆算しておはき?つ?くりを開始。



??記事全文は本誌(vol.23 2017年6月号)に掲載
(文:安田祥子 写真:柳大輔)


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