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よんでみる{ magazine Vol.16 }
Update on 2016.04.12

信州の里山で、パンを焼く。

特集レポート[Local bench 中嶋厚志さん]長野県東御市

フランス料理を勉強していた中嶋さんが
信州の里山でパン職人に転身。
憧れの田舎暮らしで見つけた、自分らしい働き方とは…。

「毎日食べ飽きないものがつくりたくて」
     フレンチシェフからパン職人に転身。

長野県東御市にある「ローカルベンチ」は、信州産小麦にこだわったパン屋さん。
住宅街の一角にある、とても小さな店だ。

そこで毎日せっせとパンづくりに励む店主の中嶋厚志さんは、じつは、フランス料理の出身。
かつて原宿で人気を博したオープンカフェ「オーバカナル」が、原点にある。

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パリの街角を彷徨わせるそのお店は、カフェとブラッスリー(フランス風居酒屋)がひとつになった
独特の形態をとっていて、洗練された雰囲気に、流行に敏感な多くの若者が魅了された。
若き日の中嶋さんもまた、たちまちその店の虜となった。


当時の中嶋さんは、まだ大学生。トライアスロンの選手として日々の食事に気をつかうようになり、
料理をすることの楽しさに目覚めた頃だった。

「選手として思うような成績が残せず、”卒業後、どうする?”と迷っているうちに、
いつしか”料理人をめざすのもいいな”と考えるようになっていたんです。
僕の料理をうまそうに食べる友だちの顔が、僕はとても好きだったので」


サラリーマンには、どうしてもなりたくなかった。
夢だった教師をめざそうか、それとも…。

原宿の「オーバカナル」という店の存在を知ったのは、そんな頃。
思えば、昔からフランスに対して漠然とした憧れのようなものもあった。
「オーバカナル」の門を叩き、アルバイトとして働きはじめる。
そのまま大学卒業後も店に残り、フランス料理の世界へ。

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「勢いよく飛び込んではみたものの、徒弟制度がとにかく厳しくて。
あまりのキツさに、じつは2年ほどで、一度逃げ出しました。」

心機一転、リセットしようと、長野県で行われていた野外教育(野外での体験を通じて心を成長させる
教育活動)のインストラクター養成講座に参加。
生き方や価値観を掘り下げるプログラムを受講するなかで、
「自分がほんとうにやりたいことは、料理なんだ!」と改めて気づいたという。


3年間ほど野外教育のインストラクターとして長野県で働いたのちに
フレンチの世界に舞い戻り、ビストロ2店舗で修行する。
見習いからの再スタートだったが、不思議と心は晴れやかだった。


文:松井さおり  写真:平松マキ
全文は本誌(vol.16 2016年4月号)に掲載


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